千葉県・一宮町で農家を営む大澤進さんに
eit swimが今もっとも聞きたいことをインタビュー。

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−−−− 農家さんってなんだか大変なイメージですが、現実は?

そうですね。
お金が必要なのに、お金が入りづらい職種かもしれません。
農業や林業などの第一次産業は、大変な割に収入になりにくいんです。
小さな農家は特に大変だと思います。

ヨーロッパは家族経営や小さな農家を育てようとして
国が助成金をしっかり出してくれる。
それに比べて、日本は大規模化を進めているので大規模農家へのサポートがメイン。
例えば重機を買う時、新車を買うと何割か負担してくれる制度があるけど、
小規模でやっている農家は中古を買うわけで。そうすると助成金は出ないんですよね。

それが日本で小さい農家が何代も続いていかない理由のひとつだと思います。
今の専業農家の平均年齢は66.8歳。圧倒的に若い人が少なくて、後継者も少ない。
もっと国や町が小さな農家をサポートするべきだと思っています。


 

−−−− でも直売所での大澤さんはいつも笑顔で、楽しそうです。


土や動物と触れ合っていると、ストレスは基本的にないですよ
農家になってから18年間、風邪も引いてないし、病院にはほとんど行ってません。

本来、私の年齢で会社員だと、ちょうど定年するくらい。
毎日やることがないし、本屋や映画だって飽きるでしょ。
その点、農家だと毎日やらなきゃいけないことがあるのが素晴らしい。
健康だし、仕事後の酒はうまいし、毎日最高ですよ。

孫が2人いるんだけど、自分で作ったものを送ってあげられるのも幸せですね。
嫌いな野菜でも「じいじが作ったんだよ」と言うと食べるみたいです。


 

−−−− 消費者である私たちにはどんなことを望んでいますか?

みなさんには、お米をいっぱい食べて欲しいですね。
昔は年間1俵くらい平気で食べていたのが、今ではどんどん減っているんです。

米の自給率は100%だけど、小麦はほとんどが輸入で、
輸入時には殺菌剤、防カビ剤のポストハーベスト農薬を使っている。
こんなにも大豆大国なのに、大豆も7割が輸入です。

日本の食料自給率がそもそも3〜4割と、とても低い。
ここにも関心を持たないといけないですよね。

実は日本の農業には問題が山積み。
持続可能な農業にするための環境意識を、生産者だけでなく消費者も考えてほしいと思っています。


 

こうやってバックグラウンドを聞くと、ますます大澤さんの作る野菜が愛おしくなりました。
自分たちが口にする食材についてもっと知ることは
日本の農業を考えることにつながります。

 みなさんも“推し”の農家さんを探してみては。

Thank you Osawa-san!

 

 

 

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