前回に引き続き、
千葉県・一宮町で農家を営む大澤進さんに
eit swimが今もっとも聞きたいことをインタビュー。

ひとつ前の〈Think Earth Interview 4〉はこちらから。

 

 

−−−− 農家を始めてから、気候変動や環境のことをより感じるようになりましたか?

そうなんです。気候変動は肌で感じています
異常な暑さに、雨の降り方も変だし、そのせいで野菜も育てるのが大変になります。

都会に住んでると少し気づきにくいかもしれないですよね。
自分が飲んでいる水や食べ物はどこから来るのか、空気は誰が綺麗にしているのか、とか。
田舎、自然、地球の力が作用しているとわかると、もっと関心を持つきっかけになるんじゃないでしょうか。


 

−−−− 無農薬にこだわる理由は?


実は、化学肥料や農薬が環境にどんな負荷を与えるかは、後になって知りました。
もちろん、農業が環境改善に比較的、役立つことは漠然とわかっていたけど。
農業が環境を破壊しているという面もあるということを知ったのはこの10年くらいだし。

だから最初は、お客さんのニーズで始めたんです。移住者が多いこの辺りでは、意識の高いお客さんが多くて。

無農薬にはこだわっているけど、化学肥料は今も使うことがあります。
自然農法が一番だというのはわかっていながらも、理想論だけでは難しいところもあって。ここでキーワードになってくるのが「持続可能な」農業無理してもしょうがないし、長続きしないと意味がない。

もちろん、最悪なものは絶対に使わないようにしています。
例えばヨーロッパではすでに禁止されているネオニコチロイド。
カメムシを撃退する殺虫剤なんですが、これが世界のミツバチの減少に繋がっていることは有名ですよね。

日本では禁止されていないからまだ全然使われているけど、
養蜂場が多いこの辺では使用する日時が決まったらアナウンスされるんです。
その間、養蜂家がハチを屋外に出さないようにするために。

でもそんなことを知らない野生のミツバチはどうなるんだろう。恐ろしいですよね。


 

−−−− 大澤さんの直売所に通うようになって、旬のお野菜で料理を作るようになりました。

それはよかった。旬の野菜が一番カラダにいいですからね。

でも小規模でやっているとたくさんの種類の野菜が作れなくて。
例えば長野の知り合いの農家から高原レタスを取り寄せることもできるんだけど、
物流コストと消費エネルギーを考えると「持続可能」ではない。

良い食材は移動距離の短さもポイントになってくると思っています。
新鮮で、移動にかかるエネルギーが少ないのが一番良い。
「地産地消」と昔から言うけど、
本来、無理に時期じゃない野菜を使う必要はないんです。

この地域でもビニールハウスで真冬にトマトを作ったりしているけど、
暖房をつけて、コストをかけてやっているから、これに関しては本当の意味での「持続可能」ではないですよね。



−−−− 「持続可能」の大切さを私たちも痛感しています
。ブランドとしては、できれば100%環境負荷がないモノづくりをしたいと思っていますが、急にすべてをシフトすると無理が生じたり、継続が難しくなる。だから「できることから1歩ずつ」が大事なのかなと。

そうですよね。どんなことでも持続できなければ意味がないからね。


 

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